
フランス語の検定試験には、おもに「仏検」「DELF」「TCF」の3つがあります。ここではまず、この3つの試験の特徴を説明し、どういう人がどの試験を受ければよいのか、おおまかな方向性を把握してもらいましょう。
仏検(ふつけん)
正式名称は、「実用フランス語技能検定試験」。毎年2回、春と秋に5級から1級までの試験が行われています。文法などの知識が正確に定着しているかを確認する試験内容になっているので、初級文法が正しく身に付いたかを自分でチェックするのに最適な試験と言えるでしょう。毎年、おおよそ次のような日程で試験が行われています。
| 仏検・春試験 | |
|---|---|
| 申込期間: | 4月初旬 ~ 5月中旬 |
| 試験日: | 6月中旬の日曜日 |
| 仏検・秋試験 | |
|---|---|
| 申込期間: | 9月初旬 ~ 10月中旬 |
| 試験日: | 11月中旬の日曜日 |
5級は神戸大学の1年次前期で学習する内容、4級は1年次後期までに学習する内容におおよそ対応しています。フランス語の勉強に少し力を入れてみたいと考えている人は、前期・後期それぞれの初めに自分で申し込みを済ませ、授業内容と並行して仏検の勉強も自主的にしておけば、問題なく合格することができるでしょう。また、1年次の必修としてのフランス語学習を終えてからも、選択科目等も履修しつつ自主 的にフランス語の学習を続けていきたい人には、仏検の合格レベルを少しずつ上げていくことを一つの目標にするとよいでしょう。

DELF(デルフ)
フランス文部省認定のフランス語資格試験です。毎年2回、春と秋にA1・A2・B1・B2・C1・C2の6つのレベルの試験が行われています。フランスの大学への交換留学の条件として、多くの場合B1の能力が求められます。実際にフランス語圏で生活することを想定したコミュニケーション中心の実践的な試験内容になっています。全国の主要都市で試験が開催されますが、神戸大学から一番近い大阪市南森町の試験センターでは、2020年度に次の日程が予定されています。
| DELF・春試験(※2020年度) | |
|---|---|
| 申込期間: | 2月28日(金)~ 4月24日(金) |
| 試験日 | |
| A1 | 6月6日(土) |
| A2 | 6月7日(日) |
| B1 | 6月6日(土) |
| DELF・秋試験(※2020年度) | |
|---|---|
| 申込期間: | 8月21日(金)~ 9 月25日(金) |
| 試験日 | |
| A1 | 11月7日(土) |
| A2 | 11月8日(日) |
| B1 | 11月7日(土) |
3年次の秋から留学するには、2年次の秋試験でDELF のB1を取得しておくのが望ましいです。1年次の秋にA1、2年次の春にA2を受験しておくと練習になってよいでしょう。
TCF(テーセーエフ)
DELF と同じくフランス文部省認定のフランス語資格試験です。こちらは1週間前までに申し込みがあれ ば一年中いつでも受験することができます。試験問題にレベル分けはなく、成績によってA1からC2までの能力判定がなされます。交換留学の準備で急に語学証明が必要になったときに便利ですが、合格証は2年間しか効力を持たない点に注意が必要です。
申込方法は?
会場となるアンスティチュ・フランセ関西のWEBサイトに申込方法が説明されています。見つけにくいですが願書もダウンロードできるようになっています。※ただし願書は、試験の一ヶ月前までに、会場まで直接、受験費用の12000円とともに持っていく必要があります。
どの試験を受けるべきか?
以上の3つの試験があるわけですが、自分がどの試験を受けるべきか、どの試験が自分にいちばん合っているのか、分かってきましたか? 上の説明だけではまだよく分からないかもしれませんね・・・。これはあくまでも神戸大学でフランス語を教えている一教員としての意見ですが、どの試験を受けるかは、あなたが「留学」に対してどのような考えを持っているかで決まってくると思います。「留学」まで行かなくても、フランスなどのフランス語圏の国・地域に、1週間くらい「旅行」に行ってみたいかどうかも考えてみてください。
- 「留学」には興味がないという人には・・・
ずばり、「仏検」をおすすめします。「留学」には興味がないというあなたには、実践的な会話の能力を身につけるよりも、まずは大学で学習した文法の復習や、基本的な単語・熟語の習得に取り組んでみて欲しいです。
☆
- 「留学」には少し興味があるという人には・・・
まだそこまで「留学」についての考えがまとまっていないという人は、まずは「仏検」の4級を1年生の秋に、あるいは3級を2年生の春に受けてみることをお勧めします。そのようにして、授業以外にも自主的にフランス語の勉強をしてみることで、もしも「フランス語の勉強が楽しい!」とすこしでも感じられたのであれば、今度は「DELF」の試験も受けてみると良いでしょう。「仏検」は「DELF」と比べると、受験料もそこまで高くないので、気軽に受けられるというメリットがあります。
☆
- ぜったい「留学」してみせる!という人には・・・
何があっても絶対フランス(語圏)に留学してみせる!というあなたには、1年生の秋から「DELF」のA1を受験することをおすすめします。もしも1年次前期のフランス語初級B1・B2の担当教員がネイティブの先生でなかったなら、1年生の秋ではA1にすら合格することは難しいでしょう・・・。でも、それで良いんです! というのも、神戸大学において、3年次後期からフランス語圏に留学するためには、2年次の12月の面接で、DELFのB1の能力を持っていることを求められることが多いからです。ですから、1年の秋でA1、2年の春でA2、2年の秋でB1、と半年ごとにステップアップしていく必要があります。3年次後期からフランス留学するためには、1年次の夏休みからエンジン全開でフランス語の勉強に取り組む必要があります。
☆
- 急きょ「留学」することになり、フランス語能力証明を提出しないと、という人には・・・
そのような人のために「TCF」の試験があります。試験はすべてコンピューター上で行うので、試験の結果が出るのも早いです。「仏検」や「DELF」と異なり、レベルごとに分かれていないので、とりあえず受験すれば、なにがしかの点数が出て、自分のフランス語能力を客観的に知ることが出来ます。ただし、証明書の効力は2年間しかないですし、問題集なども少ないので、自分で勉強するのはすこし難しいかもしれません。特別な事情が無い限り、「仏検」か「DELF」のどちらかを受験するのをおすすめします。
勉強の仕方
「仏検」「DELF」のどちらも、神戸大学の図書館に練習用の問題集を置いてあります。
「仏検」または「DELF」のキーワードで検索すれば、いくつも問題集が見つかりますよ。また、国文キャンパスのD棟にあるHUB室(D408)にも、「仏検」「DELF」それぞれの問題集を用意してあります。こちらも貸出可能です。
ほかにも、上記にリンクを紹介した、各試験の公式ページにおいて、過去問や例題が公開されています。自分が何級から受ければ良いのか分からない人も、この過去問で確認することをお勧めします。
DELFに関しては、「読む」「書く」「聞く」は問題集を使って、自分で勉強することが十分可能かと思いますが、「話す」に関しては、問題集だけでは少し難しいかもしれません。ただ、最近ではYoutubeなどで、DELFの会話試験の様子などが色々と紹介されているので、そういうものを見ておけば、試験本番で慌てることも少なくなると思います。